アクター(6)
「四谷怪談」の撮影は清純派アイドル・英子にその中身を隠したまま開始された。
素直で純情な英子に魔性のお梅、妖しく成熟した大女優・岩上志保に慈愛を持つお岩。
女性への激情をトラウマとして持つキララに、極悪非道で女性に冷徹な伊右衛門。
役者のプライドと愛憎が絡み合い、お互いに触発され、キララが、英子が、志保が、変わっていく!撮影が進むうち、英子のキララへの恋心は高まっていった。
志保は自らキララとの濡れ場を申し出て、英子に見せつける。
そして、ついに夢野はついにキララと英子の濡れ場シーンの台本を二人に手渡す。
覚悟を決め、撮影に臨んだ英子だったが、セットの屋形船を約20社50人の取材陣のカメラが狙っていた! そして、最高の観客、志保も現れて…!?お梅になりきっていく英子だったが、妻のお岩を毒殺してまで、伊右衛門を奪い取る心境までは行きつかない。
そんな英子の甘さを、恋敵でもある志保はするどくついてくる。
イジメともとれる演技指導に、英子は必死でついていくが、貧欲な女の愛は表現できない。
伊右衛門に抱かれるシーンで、恥じらいと戸惑いを捨てきれない英子だったが…!?伊右衛門とお岩が抱き合う。
それを見つめるお梅。
キララに恋する英子は、2人から目を離すことができない。
志保のエネルギーが圧倒するか、英子の負けん気が耐えるか、この勝負は、どちらの『四谷怪談』か、を決定する女優対決でもあった。
そして、キララの前にもう1人の伊右衛門・中条達彦が現れる。
「二人一役」で、出来のいい方を使う事に…!?キララの主役の座が揺らぐ!? キララの前にもう一人の伊右衛門・中条達彦が現れる。
二人は、前代未聞の二人一役で主役の座を奪い合う。
夢野は、様式美をみせる中条と、感情のままに暴走するキララを使い分け、リアルな伊右衛門を作りあげていく。
岩を殺すシーンでは、中条伊右衛門からは憎悪といらだち、キララ伊右衛門からは愛情を撮る。
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